『嫌われる勇気って
 そんなに凄い内容なの?』
『本当に正しいことを言っているの?』
そんな疑問に答えるために、
このシリーズ(*)は作られました。
*この記事はシリーズ第4部(最終章)になります。

  • 第1部では目的論
  • 第2部では課題の分離
  • 第3部では承認欲求の否定

について語っています。

嫌われる勇気を語るうえで
それぞれとても重要な内容となっています。
もし、1~3部がまだの方がいましたら、
まずは第1部から順に
読んでみることをおススメします。
⇒⇒嫌われる勇気の感想・第1部!アドラー心理学を平等な目線で評価

ちなみに私は、
日夜、心理学を研究している
心理学研究家です。
得た知識を日常の中で活かし、
周りの人々と信頼関係を
築きながら生活しています。
ここではそんな私から見た
嫌われる勇気の「感想」
「衝撃の事実」
ついて語っています。
この記事を読み終わったとき、
あなたはアドラーの真意を
知ることになるでしょう( ̄ー ̄)ニヤリッ
それでは、さっそく本題へ
移りたいと思います。
今回のテーマは、
「人をほめてはいけない」
についてです。



人をほめることは相手を見下すこと?

嫌われる勇気では
人を叱ることはもちろんのこと、
「ほめてもいけない」と主張しています。
理由は

「ほめる」というのは、
相手をどこか見下す要素が
含まれていて、他者を操作しようと
している言葉だから

としています。

たしかに、
「たいへんよくできました」
なんて言葉は、
まるで相手より立場が
上であるかのような
言い方ですもんね。
ほめることによって、
自分の都合のいいように
他者を操作しようと
しているというわけです。
そして、ほめる代わりに
「感謝」素直な喜び
伝えることを推奨しています。
感謝は大事です!
感謝を伝えることによって
相手は貢献できたと思えます。
(本書では貢献感こそが
幸福に繋がるものともしています)
感謝を伝えた側も、
「ありがたい」という気持ちを
もつことになりますから、
どちらも良い気分
なることができます。
感謝は多ければ多いほど、
伝えれば伝えるほど、
幸せを広げてくれる
ものなのでしょうね(*^_^*)
ただ問題なのが、嫌われる勇気では
「いかなる場合も」ほめてはいけない
としていることです。
大人だろうが、子供だろうが、
コミュニケーション全般において
ほめてはいけないのです。
理由は先ほど言った通り、
「ほめる」というのは、
相手を下に見ているという要素が
含まれているからです。
でもですよ、例えば、
目の前にオリンピックで
金メダルを取った選手が
いたとしましょう。
種目はなんでもいいのですが、
まぁ羽生結弦選手あたりを
想像してもらうと
いいかもしれませんね。
完璧な演技で
世界最高得点をたたきだし、
金メダルを首から下げている
羽入選手が目の前にいたら、
あなたは何と声をかけますか?
おそらく
「素晴らしい!」「すごい!」
などの称賛の言葉
出てくると思います。
この時、あなたの心の中に
羽入選手を見下すような
気持ちはあるでしょうか?
たぶん、多くの方がそんな気持ちは
持ち合わせていません。
純粋な「尊敬の念」しかないはずです。
おそらく、
言葉をかけられた羽入選手も
こちらのそんな気持ちを理解し、
喜んでくれることだと思います。
そう考えると、
「絶対にほめてはいけない」
というのは、
やはり極端すぎる意見である
といえるでしょうね。
感謝の気持ちや
喜びを伝えるというのは、
とても素晴らしく、
積極的に行うべきだと思いますが、
「いかなる場合も」ほめない、
というのは、現実的にちょっと
無理がありますね(;´Д`)
さて、「全くほめない」ということが、
少々現実離れしているのは、
ご理解いただけたと思いますが、
ここで、
嫌われる勇気に関する
2つ目の「衝撃の事実」
お伝えしたいと思います。
(1つ目の衝撃の事実については
前回の第3部でお話しております。
第3部はこちらからどうぞ。
嫌われる勇気の本の感想・第3部!本書に隠された衝撃の事実とは?)
アドラーが本当に伝えたかったことが、
次章で明かされます(^^)


衝撃の事実!アドラーの真意

えー、さっそくですが、
その事実を
発表してしまいたいと思います。
それは。。。
「アドラーはほめることを否定していない」
ということです。
アドラーが本当に言いたかったのは、
「絶対にほめてはいけない」
ではなく、
【「過度」にほめてはいけない】
ということなのです!
第3部でもご紹介した

≪子どもの教育≫
著:アルフレッド・アドラー
訳:岸見一郎 出版:株式会社アルテ

にその文言が書いてあります。

子どもをあまりにほめるのは
賢明ではない。
あまりに多くのことが
自分に期待されていると
思うようになるからである。

(子どもの教育P228参照)

ご覧の通り、
過度にほめてはいけないと言っていますが、
いかなる場合もほめてはいけないとは
言っていません。
それともう一冊、
この説を裏付ける
アドラーの書籍があります。
それが、こちらの
『人生の意味の心理学(下)』です。

著:アルフレッド・アドラー
訳:岸見一郎 出版:株式会社アルテ
この本には、例え話として、
こんなことが記されています。
1人にされた三歳か四歳の
女の子がいる、と仮定してみよう。
彼女は人形のために帽子を縫い始める。
彼女が仕事をしているのを見ると、
われわれは何てすてきな帽子だろう、
といい、どうすればもっとすてきに
できるか提案する。
少女は勇気づけられ、励まされる。

彼女はさらに努力し、
技術を向上させる。

(人生の意味の心理学(下)P115参照)
はい、というわけでですね、
「何てすてきな帽子」と言い、
アドバイスをすることによって
少女はさらに努力して
技術を向上させるとしています。
「何てすてきな帽子」って。。。。
完全にほめていますね(爆)
何度もいいますが、
アドラーが言いたかったのは
「絶対に褒めてはいけない」
ではなく、
過度にほめてはいけない」
ということなのです。
そして、うえでご紹介した
2つの書籍の訳者は、
嫌われる勇気の著者である
岸見一郎先生であります。
つまり、岸見先生は
アドラーの意向を知りながらも、
それを無視して、
本書(嫌われる勇気)では
「ほめてはいけない」
と言ってしまったことになります(>_<)
この事実をふまえると、
第3部でもお伝えした通り、

嫌われる勇気の内容は、
本当のアドラー心理学ではなく、
岸見先生の考えるアドラー心理学である

と結論付けるしかなくなるのです(-_-;)

うーん、どうやら
嫌われる勇気の内容は
かなり作成者側の思想が
込められているみたいですね。。。
この事実をどのように解釈し、
考えるかは、あなたの自身の
判断にゆだねますが、
私個人の感想を述べさせて頂くと、
やはり、嫌われる勇気に関して
あまり良い印象を持つことはできません。
アドラーという権威者の名前を使い、
意図的に偽りの情報を
発信しているのですからね(ーー;)
それを公然と
「アドラーが言っています」
なんて語るのは言語道断です。
ぜひ、世の中の人には
この事実を知って頂いて、
一部の噂や評価に踊らされることなく、
自分なりの意見を持って
もらえたらと思います。
それでは、
本文はここまでにして、
まとめに移ります。

第4部まとめ

  • 「全くほめない」というのは
    少々現実離れしている
  • 感謝や喜びを伝えるのは
    とても大切
  • アドラーは
    「一切ほめてはいけない」
    とは言っていない
  • アドラーが本当に言いたかったのは
    「過度」にほめてはいけない
    ということ
  • 嫌われる勇気の内容は
    アドラーの思想そのものではなく、
    作成者側の思想が
    盛り込まれたものである
以上になります。
まぁ各々、いろんな意見を
お持ちでしょうが、
やはり「全くほめない」なんてのは、
ちょっと現実離れしすぎですね。。。
そもそも、アドラーは
「ほめちゃいけない」なんて
言っていませんしね(笑)
「ほめちゃいけない」なんて聞くと、
けっこうインパクトのある内容なので、
頭には残りますが、
あくまで一部の人たちの
思想でしかないことを
忘れない方が良いでしょう。
2017年現在、私には
1人の息子がおりますが、
良いものは「良い」
凄いものは「凄い」
よくできたら「よくできた!」
としっかり褒めていきたいと思います。
そして、親子の絆を
深めていいきたいですね(*^_^*)
それでは、
嫌われる勇気の感想シリーズは
これで終わりにしたいと思います。
最後まで、本当に
ありがとうございました(^^)/
PS:嫌われる勇気シリーズのまとめ記事を
  ご用意しました。
  こちらから復習できますので、
  もしよろしければご活用ください。